プレストレストコンクリート（PC）建設産業の我が国における産業構造上の発展性に関する研究 -PC構造物におけるプレキャスト工法適用の有効性について-

摘要

本論は，プレストレストコンクリート（PC）を用いるPC建設産業が，我が国における産業構造上での位置付けを行った結果，建設の為の有用な産業として今後も発展し得ること，その為には技術開発とともに実際の建設への導入過程の手法の効率化が必要条件であること，ならびに，工場で部材を製造し滴用するプレキャスト工法の適用が有効であること，を結論とし，発展の方策を述べた。 生産性と発展性の論証の論拠に，産業論的分析の他，技術開発や構想を個々の建設プロジェクトに実現し得た事実と，実務経験のうち応用性があると判断した事柄を，経験的概念として含めている。 実務経験の内容は，新技術の開発と，建設に実現するための導入過程の手法であり，個人研究とともに共同研究によって得たものがある。 共同研究は，PC建設企業，PC建設業協会，学会，各種学術協会，工法協会，産官共同研究，および，国際共同研究の形態で行った。 それぞれのグループでの研究を通じ，有用な新技術を効率良く開発し得る為に，また，新技術を建設に適用し得る為には，技術だけでなく，経営および産業論の研究も必要なことが判明し，従って，それらを総合して新技術導入の効果を挙げることを論の展開での目標としている。 本論文は本論10章とⅠ，Ⅱ，で構成されており，各章および付録の内容は以下のとおりである。