5.3非定常流れと数値流体力学

摘要

非定常流れ関係では9セッションで43件の講演があった。昨年の7セッション33件と比較すると，論文数は大幅に増加している。中でも，中国の講演が最も多く，43 件中16件を占める。タービン関係の非定常流れでは，低圧タービンに関する発表が多く，高負荷化に伴う負圧面上の層流剥離がその研究の対象である。剥離遷移について後流や主流乱れ，粗さの影響を調べた基礎的な研究（GT-94418）や，剥離の制御に関してジェットや“粗さ”の効果を調べた研究（GT-94575，95810）が発表された。低圧タービン程度のレイノルズ数では大規模なLESやDNSが可能となってきており，前述した剥離制御の研究はこれらの計算を基に調査されていた。他には，動静翼列干渉の効果として，上流翼列が二次流れに及ぼす影響などが調べられていた（GT-94091，94768）。また，実験および数値計算により後流干渉やポテンシャル干渉に伴う圧力変動について詳細に調べた研究があり，非定常仕事による混合損失の低減が示唆された（GT-94234）。