発電用ガスタービンの高温·高効率化の進展と将来展望

摘要

当社は，ガスタービン高温化設計の独自技術を基に，1989年に1350°C級M501F形を，1997年に，1500°C級M501G形を開発し，長期間の運転実績により高効率·高信頼性を確立した。このような実績を背景に，2004年度から国家プロジェクト［1700°C級ガスタービン要素技術開発」に参画した。このプロジェクトで得られた要素技術の成果を当社の高温化設計技術に組込hで，世界長高温度1600°C級M501J 形を開発し，2011年に当社高砂製作所の実証発電設備（T地点）で実負荷試験を実施し，その性能，燃焼特性，機械的特性，信頼性を確認した（図1）。日本独自技術で確立した高温·高効率化技術は，今後，日本のみならず全世界へ波及効果をもたらし，CO_2削減による地球温暖化対策に大いに貢献するものと思われる。本文では，発電用ガスタービンの高温·高効率化の進展と将来展望について述べる。