ジェットエンジンにおけるエアロメカ解析技術について

摘要

空力構造連成解析に関して，ガスタービンのエアロメカ問題における適用例を紹介した。エアロメカ問題として問題となる共振による翼振動応答やフラッタに関しては，片方向連成でも実用的な精度を持つことがわかる。一方，NSVのような流体と構造の連成が強い問題に関しては，片方向連成では適用が難しく.双方向連成のほうが適している。双方向解析は適用可能な振動現象の幅が片方向解析に比べ広く，解析したい状況をまるごと模擬することが可能であるが，その利点を最大限に生かすには，結果の処理や解釈が非常に重要である。今後，このような流体と構造の連成が無視できないような問題に対しては双方向連成解析が必要となってくるが，リソースや解析負荷は実用上の問題となってくる。2章で紹介したような周波数領域の解法が実用化されれば，設計の現場でも双方向連成解析が広く使われるようになると考えられる。