果実生産技術の改善：携帯型非破壊品質評価装置のリンゴ栽培への活用－品質情報を生産·販売に活かす

摘要

平成5年のこエージーランド産リソゴの解禁以来アメリカ，フラソス，オーストラリア産が解禁されるとともに，検疫制度の緩和による輸入量の増加が懸念されている。一方，平成14年には台湾のWTO 加盟による輸出の急増により，輸出量が1万トンに達した。 このようにリンゴの生産·流通に関して国と国との垣根が取り払われつつあり，今後は，市場の国際化に対応した栽培技術および品質水準の確立が急務となっている。わが国のリンゴ消費は生食用が中心であり，デザートやギフトとしての需要も多いため，リソゴ栽培においては果実の大きさや着色程度などの外観品質が重要視されてきた。 このことが摘花·摘果や着色管理などの作業に多大な労力を費やし，生産コストの増加をもたらしてきた。 一方，おいしいリソゴの条件としては果実の甘さ，肉質の良さ，果汁の多さ，芳香などがあげられるが，一般に，糖度の高い果実ほど品質は良いと判断される。 国際的な品質水準という観点からは，芸術品と呼ばれるわが国の外観品質をある程度維持した上で，糖度などの内部品質を向上させる必要がある。