水稲直播栽培技術の進展：水稲布マルチ直播栽培のための機械システムの開発－食の安全·環境保全稲作を省力化

摘要

わが国の稲作はさらなる省力·効率化が求められるとともに，栽培に際しては環境に配慮したものでなければならい。 とりわけ，近年は食の安全性に対する関心が極めて高く，コメもその例外ではない。 このような厳しい要求に応える技術として「水稲布マルチ直播栽培」の開発を開始した。 本栽培法は易分解性のセルロースを原料とした布マルチによる雑草の抑制，直播による経費削減·省力，食の安全性を目的に，新たに開発しようとしている水稲栽培技術である。 緑肥をすき込hだ水田，あるいは有機質肥料を施用した水田を代かきし，種籾をサソドウィッチ状に挟み込hだ不織布（布マルチ）を田面に敷設するもので，無農薬·無化学肥料で構築された全く新しい観点に立った水稲栽培であり，環境保全型水田農業の展開に資することができると考えられる。 ここでは，栽培法の概要，種籾を不織布にサンドウィッチ状に挟み込むための播種システムおよび布マルチを水田に敷設する際の作業能率の向上を目的に試作した田植機装着型布マルチ敷設機について紹介する。