射出成形金型の機構と製作法（第9回）: 第2章 金型の製作

摘要

形状をつくる方法は加工前後における材料の質量の増減で分類でき，切削や研削，レーザなど加工後に質量が減少する「除去加工」，鋳造や鍛造，プレス，射出成形など材料の質量が変化しない「変形加工」，積層造形や溶接など材料の質量が増加する「付加加工」の3種類に大別される．様々な形状創製法がある中で切削加工は歴史が深く，ある程度成熟した加工法で，加工条件を調整することで荒加工，中仕上げ加工，仕上げ加工と加工精度や表面粗さを追いこむことができることが最大の利点である．本稿では金型を製作する際に不可欠な切削加工の基礎をドリル加工，正面フライス加工，エンドミル加工に分けて概説する．