成形加工におけるオンライン成形：近赤外分光法による押出溶融ポリマーのオンラインモニタリング

摘要

プラスチック製品の多様化，高性能化およびコストダウン等の要求，またその生産システム自身の高精度化，省力化，省エネルギー化等の要求により，近年，プラスチック製品製造工程におけるリアルタイムでの成分分析や検査技術の果たす役割が重要視され始めている．例えば押出成形工程においては，樹脂温度，樹脂圧力，溶融粘度など限られた情報しか得られないのが現状であるが，押出機内において高温の溶融状態にあるプラスチック材料の組成や性状を何らかの手法によってリアルタイムに測定できれば，プラスチック製造または加工過程にある樹脂の状態を直接的に把握できる可能性があるため，その情報をフィードバックすることにより押出温度，軸回転数，樹脂や副資材の供給量などのプロセスパラメーターをその場において直ちに制御することも可能である．特に最近注目されつつある押出機中で各種の化学反応とモルホロジー制御を同時に行うことのできるリアクティブプロセシング（反応押出成形）技術においては，リアルタイムでの種々のプロセスパラメーターの検出が強く望まれている．