ラオス国サイニヤブリ県におけるトウモロコシ収量に与える土壤特性の影響の解析

摘要

ラオスの畑地ではこの数十年でトウモロコシの栽培面積が拡大してきている。ここではトウモロコシが無 施肥で連作されてきただけでなぐ有効な土壌保全も行われてこなかった。そのため、トウモロコシ連作下 で土壌肥沃度と生産性が低下してきていると危惧される。これまでの著者らの研究では、ラオスのサイ二ャブリ県の傾斜圃場ではトウモロコシが連作されてきた30年間に、土壌の全炭素と全窒素、有効態リン酸、 交換性カリウムが減ってきており、かつトウモロコシ収量も減ってきたことが示唆された(藤竿ら2017年、了 ジァ作物学会第9回講演会)。こうした土壌肥沃度と収量が低下する傾向の中で収量を維持するために は、収量を制限していた土壌特性を見つけ、改善する必要がある。収量を制限していた土壌特性は収量 と強い関係にあつたと考えられる。そこで、本研究では農家圃場でのトウモロコシ収量と養分吸収量と土 壌特性の関係を統計的に解析し、制限要因について検討した。