リユーココリネにおける球根貯蔵の温度と期間が出芽 および開花に及ぼす影響

摘要

リユーココリネ(Leucocoryne)属は，南米チリ原産のヒ ガンバナ科ネギ亜科に含まれる地中植物である.ァリウム (Allium)属と近縁であり，に種の野生種が存在する (Mansurら，2002).リュ一ココリネの球根は，有皮の層状 鱗茎である.球根は，仮軸分枝性を示し，鱗片2枚分化 後，1花芽原基を分化するというサイクルをもっている (Waltonら，2008).茎は球根の底盤部に短縮されているた め，生育初期には糸状の葉だけが地上部に出現し，開花期 になると花茎が次々と伸長する.花は1つの花茎に1-10 個の小花をつける散形花序であり，花序全体は2枚の苞葉に包まれている.小花は同花被花で外花被3枚，内花被3 枚，仮雄ずい3本，雄ずい3本，雌ずい1本から構成され ており，外側から順に分化する.仮雄ずいは花粉を形成し ない雄ずいで，リュ一ココリネ属の特徴的な器官であり， ギリシャ語で白い（leukos)棍棒（kotyne)を意味する属名は，この仮雄ずいにちなhで名付けられている（深澤.大川，1993a).