冬季は乳頭皮膚の保湿ケアで乳房炎予防:剥がれかかった皮膚角質からブドウ球菌性乳房炎が多発

摘要

乳頭皮膚の肌荒れを考える前に、皮膚の 解剖と生理についておさらいする（図1)。 人の皮膚の解剖と生理学が化粧品の開発に 伴い進hでいるので、乳頭皮膚の代わりと して考えてみる。表皮は基底層、有棘（ゆ うきょく）層、顆（か）粒層、そして角質層 へと皮膚表面に向かって移動する。表皮は基底層でつくられ2週間ほどかけて角質層 へと変化する。古い角質層が新しく生まれ 変わる期間（ターンオーバーサイクル）は2 週間程度とされている。新しく表皮が基底 層でつくられて、剥がれ落ちるまでは約28 曰を要する111。この期間は年齢や水分量に より異なり、老齢になれば長くなり、肌つ やが悪く見える。乳頭の皮膚も同じ程度の ターンオーバ一サイクルと考えられてい る。この時の角質層は水分量の減少により 「肌荒れ」状態になり、皮膚が「かさかさ」に なる。これを防ぐには、皮膚の水分を保持