修正限界感度法に基づくモータ制御系の自動ゲイン調整

摘要

本研究ではPID制御［1］の中でもゲイン調整則として限界感度法［2］に修正を加えた修正限界感度法［3］を組み込hだゲイン調整アルゴリズムの開発を行う。限界感度法は，ステップ入力に対する応答が持続振動を示すまで比例ゲインを上げ，そのゲインに対し，調整則にしたがってゲインの調整を行うというものである。これは，非常に分かりやすく実用的であるが，調整において持続振動（振幅比が1）を起こさせるようにゲインをチューニングするのが困難であり，誤って発振させてしまう場合もある。そこで，提案する修正限界感度法では，ゲインを持続振動まで大きくせず，応答の振幅比（若しくは振幅減衰比）が0.5となるゲインを調整に用いるゲインとする。本論文では，まず，この修正限界感度法の有用性を実験と理論の両面から示す。さらに，修正限界感度法を組み込hだ自動ゲイン調整アルゴリズムを用いて自動ゲイン調整実験を行い，その有効性を示す。