ヒューマンエラー誘発要因（PSF）分析に対する望ましい報告体制

摘要

トラブルが発生した場合、トラブルの状況や原因などに関する調査が行われ、その結果はインシデント報告書·不具合事象報告書あるいはヒヤリハット報告書といった文書としてまとめられます。しかし、それらの報告書では、発生状況や作業状態、作業者の状況などトラブルに関わる情報に関する記載が不十分で、その後の分析·評価への展開を図れないケースも少なくありませh。 特に、報告書が、トラブル発見者やヒューマンエラー当事者による自己報告のみをもとにしている場合、その傾向は顕著です。 トラブルに関わる情報が十分でなければ、前回紹介したPSF（ヒューマンエラー誘発要因）分析手法を適用することができませh。 その結果、直接的な要因しか得られず、対策も“チェックの強化”や“トラブル教育”といった、いずれのトラブルでも行うようなものに落ち着いてしまいがちです。 また、極端な場合、報告者が“以後気をつけます”といったことが対策として、報告書に記載され、それで調査·分析が終了している場合もあります。