バイオマス利活用システムのライフサイクルを対象としたエネルギー収支の評価

摘要

バイオマス活用推進基本法（2009年6月制定）に基 づき2010年12月に閣議決定されたバイォマス活用推進 基本計画（以下，基本計画）では，バイオマスの活用の 推進に当たっての基本的視点として「総合的，一体的か つ効果的な推進」，「地球温暖化の防止」，「循環型社会の形成」'など11の項目が掲げられ，そのうち7項目でェ ネルギ一としての利用に言及している。エネルギーの安 定的な供給確保への期待が高まる中，再生可能エネル ギー買取制度も具体ィヒしつつあり，バイオマス由来のェ ネ、ルギーも注目されている。また，バイオマスは農山村 に多く存在していることから，未利用資源の活用による 新たな産業育成と経済活性化が期待される。しかし，バイォマス利活用のライフサイクルの中で消 費されるエネルギーが，バイオマス変換により生成され るエネルギーを上回ると，環境への負荷を増大させるこ とになる。バイオマスの持続的な利活用のためには，バ ィォマス利活用システム全体を通して，化石エネルギ一 の使用量と環境負荷量をできるだけ小さくする計画が策