バイォエタノール残渣液の島尻マージ土壌への施用が 浸透溶脱と土壌理化学性に与える影響

摘要

沖耦県宮古島市におけるサトウキビの栽培面積は全畑地面積の約80%を占めている。サトウキビ製糖業の副 産物である糖蜜は，現在県外に持ち出して飼料として使 用されている。宮古島では，平成17年度から糖蜜の有 効利用と運輸部門における二酸化炭素排出削減を目的と して，現地プラントにおいて糖蜜を原料とする燃料用ェ 夕ノールの製造の試運転を開始し，糖蜜由来のバイオェ タノールをガソリンに混ぜてC02を削減し，地球温暖 化を防止しょうとする実証的な試み力s始まっている。こ のバイオエタノー ルの製造過程では多量の蒸留残渣液 が発生する。1Lのバイオエタノールを製造すると15-20L程度の高BODの蒸留残渣液（以下残渣液とする） が排出される。宮古島は河川がなく，浄化槽による下水 処理が主流であるため，残渣液がそのまま雑排水として 地下浸透すると，貴重な水資源である地下水の水質悪化 が懸念される。そのため，持続的なバイオエタノール生 産のためには，製造時多量に排出される残渣液の処理お よび利用技術の開発が不可欠となる。