透過電磁波プロファイリングによる地盤導電率分布の推定精度--　電磁界数値シミュレーショシに基づく基礎的検討　--

摘要

地下水、土壌汚染対策の分野でば，拡散移流方程式等に基づく数値計算によつて地盤中の流体および汚染物質の挙動を予測するごとが一般的なものとなり，それに基づくシナリオ分析や対策が行われ始めている。 農村地域の地下水における硝酸性窒素の高濃度化や島峡地域における地下水への塩水侵入等の問題も，同様な試みが今後より多く行われていくものと考えられる。 しかしながら, 一方で西垣（2002）は, そのような数値モデルによる予測、評価技術の現状を踏まえた上で，地盤の詳細な不均質性を取り扱う方法がないこと，数値解析結果の精度に見合つた観測体制が確立されていないこと，解析と観測の比較がなされた例も少ないこと，等が課題として残されていると指摘している。 このことば，数値計算が必要とする情報量, あるいは数値計算から得られる情報量にたいして，実際に現在の技術で計測できる情報量が不足していることを示すものと考えられる。