現在，完全磁気導体（PMC；Perfect Magnetic Conductor）の特性を持つ人工磁気導体（AMC；Artificial Magnetic Conductor）についての研究が盛hに行われている．PMC特性の中には電磁波を位相回転無しに反射するという特性がある．また，金属素子を狭い間隔で配置した周波数選択板（FSS；Frequency Selective Surface）は特定の周波数帯域で電磁波を反射もしくは透過するという特性を持つ．筆者らはFSSを用いたAMCの設計とその特性について明らかにしてきた．本報告では，帯域阻止フィルタ特性を持つループ型FSSを用いたAMCにさらに誘電体層を加えたAMCの設計を行う．設計に用いたFSSのフィルタ特性がAMCのPMC特性へ与える影響について検討する．解析の結果，誘電体層を用いることで，より薄いAMCが設計できることが明らかになった．またその薄くなる程度は誘電体層の誘電率の影響1/(ε_r~(1/2))よりさらに薄くなることが明らかになった．
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