オーバーラップ通信セルにおける空間リソース割り当て2～アパート部屋間実伝搬測定チャネルを用いた特性解析

摘要

無線LANシステムでは，無線通信の普及による通信セルの増加と大容量伝送に向けた伝送帯域の拡大が進hでいる．この結果，隣接する通信セル同士で同一周波数チャネルを用いる通信セルのオーバーラップを引き起こし，各通信セルの通信品質の劣化が問題となる．そこで，本稿では，2つの通信セルがオーバーラップする環境において，通信セル間で自律的に連携し，空間リソースの制御を行うことでシステムスループットを増加させる技術を提案する．具体的には，1つの通信セルのみセル間干渉を抑圧する片方向セル間干渉制御に加え，干渉電力を許容することで空間リソースを増加させる技術である．この提案方法について実際のアパート環境で測定したMIMOチャネルを用いて評価を行った．その結果，片方向セル間干渉制御および干渉ストリーム数制御を加えた片方向セル間干渉制御は，時間分割の伝送容量よりも増加することが分かった．また，セル間の干渉電力が小さい場合に抑圧ストリーム数制御の効果が大きいことが分かった．