漁船の省エネ改造に対する制約条件付き極小造波抵抗理論の応用について: Cpカーブの最適化に対する点拘束条件の検討

摘要

我が国漁船の中には，積載量を最重要視した大量漁獲 時代の肥大船型が未だ数多く残存する。こうした漁船は, 資源が減少し，漁場が遠距離化し，燃油が高騰している 現在の漁業環境にマツチしておらず，経済的な事情等で 代船建造が困難な場合には，省ェネ化の改造が必要とな つている。このような漁船は排水量型船型であつても一般の大型 商船に比べればフルード数が非常に高く，省燃費化の観 点からは造波抵抗の低減が重要なボイントとなる。特に,2007年夏の暴騰以来，燃油価格は高止まりしていること に加え，大型商船に対しては，C02排出量の抑制をU的 とするEEDI规制')が実施されるに至り，これまで以上 により一層の省エネルギー化の努力が求められている。 このような背景の下で，漁船にあっても，既存船にバウ キヤップなど造波抵抗を抑制する省エネ付加物を増着し， 燃費の改善を図る船が出てきている。