鹿児島水産高校とともに行つた藻場回復の取り組み

摘要

鹿児島県内の外海域は，昭和40年代の半ば頃から，磯 焼け状態が続いている海域が多くある。県内の漁業関係 者は，サヨリやァオリイカなどを対象とする藻場に依存 した漁法が多いこともあり，藻場の重要性を早くから認 識し，この回復に取り組hできた。しかしながら，活動 の効果がなかなか現れず，活動が直接，収入に結びつく ことが少ないため，取り組みの継続が困難となっている 地区も多い。このような状況で，鹿児島県指宿市岩本地 先において，水産高校の協力を得て藻場回復の成果を挙 げた事例があるので、本報文に紹介する。指宿市岩本沖は，1978年当時，約36haの鹿児島湾内 最大のガラモ場が形成され，ァオリイカゃサヨリなどの 好漁場となっていた。その後，1996年には藻場が約 10haに減少し，2000年以降は，藻場と呼べるような海 藻群落を確認できないほど衰退した（Fig.1，2)。