重複脊髄症と脊髄空洞症を伴つた黒毛和種子牛の1例

摘要

重複脊髄症（diplomyelia)は，重複した脊髄 が単一の硬膜に包まれて脊柱管内におさまつてい る奇形を示し，腰部脊髄以降に重複がみられるこ とが多い.重複脊髄症の症例では，起立困難，歩 行時の後肢の引き摺り，「うさぎ跳び型跛行」が 特徴的とされている.また，脊髄空洞症は，脊髄 中心部に脳脊髄液が貯留し空洞を形成すること で，脊髄を内側から圧迫し起立困難，歩行異常等 の神経症状を呈する疾病である.