重度の尿石症牛に対する内視鏡によるカテーテル留置とその治療効果

摘要

肥育去勢牛の尿石による尿道閉塞では尿道造瘻 術が行われるが，膀胱麻痺，重度の膀胱炎.膀胱 破裂ではそれのみでは治癒が困難で，膀胱内に力 テーテルを留置し，排尿，膀胱内洗浄をする必要 がある.しかし，雄牛では尿道背側憩室が存在す るためカテーテル留置は困難である.これまで当 研究室では独自に作成したカテーテルを用いてい た力《確実性に乏しい欠点があつた.そこで内視鏡 検査時に内視鏡に適合したチューブでカバーし挿 入することで，確実かつ安全に留置できるように した.この方法を用い，尿石症により膀胱破裂あ るいは膀胱破裂寸前にまで陥り，重度の膀胱炎を 併発した肥育去勢牛を治療し，良好な転帰を得ら れたのでここに報告する.