ム—ル貝の養殖技術と収支シユミレーシヨン

摘要

世界で最も食されている一一枚貝はムール貝であると言われて、る。Mouleは、フランスで食用のィガイ科全般を示す言葉であり、日本でもフランス料理やイタリア料理、スペイン料理などでよく知られている。本稿では、ムール貝の中でも、日本の在来種であるィガイおよび外来種のムラサキイガイに注目し、生物学的特徴とともに稚貝生産や養殖事例を紹介し、収支計算を行うことで養殖の可能性や将来性を探る。ィ.ガイ(Mytnus coruscus)は日本在来の一一枚貝で胎貝(タイガイ)や瀬戸貝(セトガイ)とも呼ばれる。ムラサキイガイと比べて大型で、殻長200腿、重量650SJに達するものもあるィガイ目ィガイ科の一種。殻体表面は光沢があり黒褐色もしくは濃褐色でやや光沢があり(写真ー)、殻の内面は、灰白色で真珠層を形成し、光沢が美しい(写真2)。生息環境は、北海道から中国、朝鮮半島と東アジア沿岸域に広く分布し、外洋性の潮間帯から深さ20m程度の岩礁に生息している。