排水不良転換畑における籾殻補助暗渠と 緑肥植物を用いた大豆増収技術

摘要

ダイズは日本の伝統的な食品の原料である が、ダイズの国内自給率は低迷している状態 が続いている。国内ダイズ生産のほとhどが 水田転換畑で行われているという状況で、田 畑輪換体系におけるダイズ安定多収技術の 確立が急がれる。北陸、東北、北海道の日本 海側には、粘土成分を多く含む重粘土壌が広 く分布しており、これらの地域における水田 転換畑でのダイズ生産性向上が重要な課題と なっている。一般的に重粘土の水田転換畑で は排水性が悪い傾向にあるため、降雨が多い と水分過剰になり、発芽不良や根腐れなどの 湿害が起こりやすい。ダイズの生育初期では 根の伸長や根粒形成が阻害され、それがその 後の生育にも影響するため、収量が向上しな い。したがって、収量性を向上させるために は、生育初期に湿害を回避し、初期生育量 を十分確保することが重要となる（金田ら、2004)o