軟部組織解離術を行った先天性内反足のX線学的評価一保存療法との比較

摘要

先天性内反足における軟部組織解離術後の経過をX線学的に評価し，切腱のみを含めた 保存療法例や健側足との比較を行つた.2年以上観察した症候性を除ぐ先天性内反足61例100足を 対象とした.軟部組織解離は36例51足，切腱術のみを含む保存療法は25例49足であった.健側 群，保存群，解離群の3群に分け，最終調査時の単純X線を用いて正面，側面距踵角，正面距骨第 1中足骨角，脛距角，底背屈の脛踵角，底背屈のMeary角，距骨変形を調査した.正面距踵角，底 屈脛踵角は解離群で有意に小さく ， Meary角は逆に大きかつた.距骨変形は保存群でも軽度の変形 を伴っていた.Ponseti法により軟部組織解離の頻度は減少しているが解離術後には変形や可動 域制限が残存しゃすい.解離術後は底屈時の距腿，距骨下関節可動域制限を距舟関節で代償してい た.可能な限り保存的に治療し，柔軟な足を保つことが重要である.