逆流性食道炎を合併した後弯症の精神発達遅滞児に対し 後弯矯正術を施行した1例

摘要

精神発達遅滞を伴う後弯症児に対し胸椎で後弯矯正骨切り術を行い.後弯の矯正と逆流 性食道炎の改善を得ることができた1例を経験したので報告する.症例はほ歳男性で，基礎疾患は6pトリソミ一，精神発達遅滞であった.6歳ごろより後弯を認め装具治療行っていたが，13歳 ごろより後弯の進行に伴い座位保持も困難となってきた.また，同時期よサ逆流性食道炎を認め， プロトンポンプ阻害薬を投与されていた力s症状が改善しないため，外科で食道結紮，胃瘻設置が予 定されていた.しかし，座位保持も困難であり，当科で後弯矯正手術を行うこととなった.手術時 間は540分，出血量は1044 mlであつた.術前後弯角81deg (T4-L4)が術後44degとなり消化管症状も 消失，車椅子座位保持も可能となった.今後，後弯の進行がないかどうか慎重に経適を見ていく必 要があると考えられた.