術中MRIで評価を行つた発育性股関節形成不全の 麻酔下徒手整復の経験

摘要

【はじめに】発育性股関節形成不全(Developmental Dysplasia of the Hip)の麻酔下徒手整 復(Closed Reduction ：以下，CR)時に，追加治療の必要性を判断する口的で術中MRIを使用し評 価を行ったので報告する.〖方法】2014年6月以降CR時に術中MRIをお施した5例6股に対し MRIの評価と術後経過を調査した.また，それ以前の直近5例CRとの麻酔時間を比較した.【結 果】1股は術中MRIで整復位不良であり，同一麻酔のまま観血整復を行った.術中MRIで求心性良 好と判断した5股のうち，1股が再脱臼した.平均麻酔時間はMRIあり群193 ±25分，それ以前の MRIなし群108±16分であった.【考察,結論】術中MRIは発育性股関節形成不全のCR時に求心 性,整復阻害因子を評価し，追加治療を判断できる可能性がある力5，求心性の判断には臼蓋,骨頭 間距離，臼底介在物，関節唇形態などを総合的に加味する必要がある.麻酔時間は体位や移動手順 の見直しなどで短縮可能と思われる.症例数を積み重ねて，術中MRIの有用性を再検討していく 予定である.