大腿骨骨幹部骨折に対する手術治療の成績

摘要

小児大腿骨骨幹部骨折は，保存治療が原則とされてきたが，近年手術治療の進歩によつ て治療成績が向上している.当院でも，主に弾性髄内釘を用いて積極的に手術治療を行っており，3年間で12例12肢に対して骨接合を行った.合併症として，10°の伸展変形を1例に，10 mmを 超える過成長を2例に認めたが，全例骨癒合が得られ，疼痛などの後遺症状は1例も認めなかった. 小児大腿骨骨幹部骨折に対して，中央1/3の安定型骨折で弾性髄内釘固定は特に有用であった.年 少児ゃ近位?遠位1/3の骨折，螺旋?斜骨折などに対しては，ロッキングプレート固定など他の手 術方法も選択肢となる.また，弾性髄内釘固定を行った症例で，術後固定性に何らかの問題がある 場合や年少児では，外固定の追加を考慮するべきと考える.