帝王切開により発生した大腿骨骨幹部骨折の1例

摘要

分娩時の大腿骨骨折の1例を経験したので報告する.症例は0歳，男児で，帝王切開に よる娩出後，大腿骨骨折の診断にて当院紹介.50°と著明な前方凸の角状変形を認め，紹介同日より Bryant牽引を開始.4週で仮骨形成を認め，牽引を除去した.この時点で角状変形は24°まで改善 した.1年経った現在，自家矯正により角状変形は15°まで改善.明らかな可動域制限や脚長差，回 旋異常は認めていない.分娩骨折における大腿骨骨折の治療において，転位が高度な場合，Bryant 牽引は有効な治療法の一つと考えられる.