小児の足関節後方ィンピンジメント症候群に対する鏡視下手術

摘要

足関節後方ィンピンジメント症候群(Posterior Ankle Impingement Syndrome ：以下， PAIS)に対して，近年では，従来の直視下手術と比較して低侵襲な後方鏡視下手術が普及してきて いる.今回，小児のPAISに対する鏡視下手術の成績を報告する.2012年から2017年にPAISに 対して鏡視下手術を行った15歳以下の症例で，術後6か月以上観察が可能であった4例6足を対 象とした.手術は，後方鏡視下に三角骨切除と長母趾屈筋腱の腱鞘切開を行った.スポーツ復帰時 期，日本足の外科学会足関節.後足部判定基準(JSSF ankle/hindfoot scale)で評価した.手術から 運動再開までは平均3週，競技復帰までは5.75週であつた.JSSF scaleは術前平均87.6点から術 後100点に改善した.成人では，PAISに対する鏡視下手術の良好な成績が報告されており，主流 となりつつある.今回，小児でも良好な成績が得られ，特に若年のスポーツ選手は良い適応と考え られた.