遅発性筋痛を生じた筋に対するストレツチング介入の効果 -スタティックストレツチングとホールドリラックスストレツチングの比較-

摘要

遅発性筋痛(delayed onset muscle soreness ： DOMS) は，久しぶりの運動や激しい筋力トレーニングを行った 数時間から数日後に生じる痛みであり，これが一時的な 筋機能（筋力'柔軟性）の低下や，痛みによる不快感を 生じさせる.このDOMSは，伸張性収縮を繰り返すこと で生じることが報告されている.—般的に，伸張性収 縮（eccentric contraction ： ECC)は短縮性収縮や等尺 性収縮と比較して強い筋力を発揮し，短縮性収縮と比較して伸張性収縮を用いた筋力トレーニングは大きな筋力 増強および筋肥大効果が認められると報告されている. これらの先行研究を鑑みると，反復した伸張性収縮を含 む筋力トレーニングは筋力増強および筋肥大に有効であ る一方，痛みや筋機能の低下を引き起こすと考えられる.'そのため，ECCによつて生じるDOMSや筋機能低下を予 防および軽減することはスポーツやリハビリテーション 場面における効果的かつ対象者への負担が少ない筋力ト レーニングを行うのに重要であると考えられている.