スポーツ科学における骨格筋の研究の動向と今後の方向性

摘要

1970年代から急速に盛hになった運動と骨格筋の関係に関する研究の進展が，スポーッ科学の!&展に果たした役割は大きい.さらなる進展を図るためには，この分野における概念と研究法の流れを理解した上で，今後の方向性を探ることが必要であると考え，骨格筋に関する生理学，形態学，組織化学，生化学的立場からの再検討を行った. 収縮機能について骨格筋の筋収縮メカニズムの研究は，80年前はァクトミオシンゲルのATP添加による超沈殿が始まりとなり，電子顕微鏡の開発によるァクチン，ミオシンフィラメントの存在が明らかになり滑り説が提唱された，筋の収縮·弛緩因子の研究も進み，骨格筋による力発揮機構が分かるようになってきた.また，4又縮の際のミオシン頭部の分子機構に関する研究は，細胞運動に関する分子生理機構の研究も加え，収縮だけでなく増殖肥大といつた発育·適応変化の研究にも発展している.