タウリン欠乏と運動機能及び骨格筋老化との関連 ?タウリン卜ランスポーターノックァゥ卜マウスからの知見

摘要

タウリンは生体内の各臓器に高濃度に存在する含硫ァ ミノ酸で，骨格筋には特に多く存在する.タウリンの効 果として運動機能の向上や疲労回復の改善などが知られ ているが,詳細は不明である.細胞内にはタウリンは10-40 mMと高濃度に存在して，細胞の浸透圧調節に主 要な役割を果たす"双性ォスモライト"として機能して いる.一方で，組織中のタウリンの欠乏により心筋症や 失明など種々の機能障害が起こることが知られている. 我々は細胞内へのタウリンの取り込みに関与するタウリ ントランスポー夕一を欠損するタウリントランスポー ターノックアウト(TauTKO)マウスを作製し，タウリ ン欠乏の各組織への影響を解析してきた.TauTKOマ ウスにおいては，組織中のタウリン含量の減少は心臓や 骨格筋，眼で特に顕著で，99%程度の減少がみられた.