体内時計を体力科学?スポーツ科学へ応用する-時間運動学的視点の重要性-

摘要

我々の体には，約24.5時間周期のリズムを刻む概日リ ズム(サ一力ディアンリズム)と呼ばれる体内時計が備 わっている.このリズムの働きにより，睡眠-覚醒，体 温リズム，活動リズムなどは1日の中で変動する.体内 時計を動かす時計遺伝子の分子基盤を明らかにする「時 間生物学」が生まれ，それをヒトの健康に応用すべく， 薬との関係で「時間薬理学丄食?栄養との関係で「時間 栄養学」，運動?身体活動との関係で「時間運動学」が発 展し，これらの研究成果の社会貢献も含めて，2017年に 体内時計の分野にノーベル生理学?医学賞が授与され た.時間運動学は「体内時計と運動?身体活動」の相互 作用であるので，両方向性の視点で考える必要がある.