乳牛の泌乳中、後期における，給与飼料低減による ボディコンディションスコアの調整

摘要

過肥の乳牛は繁殖障害.栄養障害が起こり易く，ボディコンディションを適正に保つ必要がある。そこで，過肥の乳牛を良好なボディコンディションスコア（BCS)に近づけることを目的として，泌乳中期、後期の俩体に給餌量を 制限した飼養試験を行い.BCS,体重の変化および乳生産に与える影響を検討した。粗飼料の違いにより次の2試験 を行った。【試験I】試験開始時に分娩後3力月-11力月のホルスタイン種の搾乳牛16頭を供試し，内6頭は通常 の給与量とした（対照KI)。これ以外の10頭は飼料給与を低減し，4頭は配合飼料のみ減らし（CI区），6頭は 対照区Iと同じ粗濃比で給与した（N I区)。給与飼料はライ麦サイレージ，ルーサンヘイキューブ，および配合飼 料とし.8週間の飼養試験を行った。【試験II】試験開始時に分娩後4力月-9力月のホルスタイン種の搾乳牛16頭 を供試し，内5頭は通常の給与とした（対照区11)。これ以外の11頭は飼料給与を低減し，6頭は配合飼料のみ減らし（cn区），5頭は対照区iと同じ粗濃比とした（Nn区）。給与飼料はコーンサイレージ，ルーサンヘイキューブ，および配合飼料とし.8週間の飼養試験を行った。CI. N I . cn. Nn各区の可消化養分総量（TDN)充足率は 83-86%となった。乳量の試験開始時に対する終了時の低下率としては，CIR32.4%, NI区28.3%,対照区I 11.6%, CH区30.4%, NI区33.3%.および対照|ズ:1 25.5%であった。試験開始時に比べ試験終了時の体重はN I区 で23kg, C I , C nおよびN nで34-40kgと有意に減少した。BCSは飼料給与低減区において試験期間中に0.2-0.4 程度の有意な低下が得られた。対照区のTDN充足率はI :97%とII ：106%,体重変化はI :0kgとII ： +15kgであつ た。BCSはほとhど変化しなかった。泌乳後期におけるBCSの調整の可能性が示されたと考えられる。