アダプター分子BASH/SLP-65/BLNKの欠如が急性リンパ性白血病を引き起こす

摘要

BASH（別名SLP－65iBI．NK）はBリンパ球（B細胞）系列に特異的に発現するアダプタータンパク質で，抗原受容体（BCR）からのシグナルを細胞内へ伝える役割を持つ．BCRが架橋されるとBASHはチロシン7）ン酸化され，Btk，PLCγ2，Vav，Gぬ2などと結合する．それによりBtkによるPLCγ2の活性化を伸介し，細胞内カルシウムの増加を促す．また，NF打Bやキナーゼ（Erk，JNX，p38）の活性化にも必要である．BASHノックアウト（KO）マウスでは脾臓やリンパ節など末梢組織で成熟B細胞の数が減少し，血液中の抗体価は減少している．また，BCRを介したB細胞の活性化や増殖が起こらない.