微生物ホルモンのケミカルジェネティクス

摘要

種々の生理活性物質の生産菌として知られる放線菌では。微生物ホルモンと呼ばれる低分子化合物による遺伝子発現制御機構が普遍的に存在している．ストレプトマイシン生産放線菌では，微生物ホルモンA-フアク夕?によって胞子形成と抗生物質生産の両方が誘導される．今回筆者らは。A? フアク夕?非生産株にA?フアクターを添加することによって引き起こされるゲノムワイドな遺伝子発現変化をDNAマイク□アレイ解析により経時的に追跡した．これは放線菌の二次代謝·形態分化に関わる遺伝子発現を同調的に誘導して解析した初めての研究であり，微生物の遺伝子発現制御解析におけるケミカルジェネティクス的アプ□ ーチの好例と言える．