日本産エビ類の分類と生態（153）

摘要

今回最初に取り扱うヒメモバコエビ属［新称］Chlorocurtis Kemp，1925は，前回の2属と同じように南方浅海性である。 日本から新記録ではないかと思われるが，非常に小型の1種Chlorocurtis jactans（Nobili，1904）を含むだけである。 石垣島の海草藻罩場に出現する。 次のサヨエビ属Chlorotocus A. Milne Edwards，1882は中型の外洋性の2種または3種を含む小さな属で，通常100m以深にみられる。 日本では古くからサヨエビChlorotocus crassicorinis（Costa，1871）1種が知られている。 次のミノエビ属Heterocarpus A. Milne Edwards，1881は25種以上からなる大きな属で，溫帶から熱帯にかけての深海に生息する。大型種もあり，深海底曳綱やエビ篭などで漁獲される有用種を含hでいる。 日本近海にも5，6種が見られる。