北太平洋におけるサケ属魚類の資源動態

摘要

わが国でサケ(Oncorhynchus keta)の人にふ化放流が初めて試みられたのは明治9(1876)年，茨城県那珂川でのことであり，今から140年あまり疗にさかのぼる。それ以来，サケの人工ふ化放流は北日本各地で盛hに実施されるようになったが，サケを増やそうという人々の恐いとは尨股に，漁獲数は70年あまりの長期にわたり低迷したままだったン.ところが，1970年に人ると漁獲数は増加し始め，1996年.漁期（8月?年2月)には全国の秋サケ漁獲数(河捕獲数と沿焊漁獲数の合が8,900万/名となり統計期間中の:を妃録，その後も2000年代ばごろまでおおむね高資源水准で推移した，この漁狍数の枘人は源の枘加によるものであり，1976/77年に発生したレジームシフトによる北太平洋における生息環境の好と，給餌飼による適期?適サイズ放流の艾践で放流魚の残が向したためとわれている。サケ源の飛躍的増大に伴，わがのサケマス増殖事業はときに敉培漁業の成功例として国内外から高く評価されるようになり2難でも諸問題は作在するものの，「完成されつつある技術」とまで言われるようになった。ししかしながら，2000年代半ば以降，わが国のサケ漁獲数は減少に耘じ，2008年漁期からは減少傾向が顕著になってきた。そして2016年漁期ぉよび2017年漁期の全国の秋サヶ漁摊数がそれぞれ3,154万尾および2,255万尾まで减少した（littp://salmon.fra.affrc.go.jp//zousyoku/salmon/2017_sokuhou_1428.pdf)これらの漁狍水準は，わが国のサヶ放流数が年問18億?21億尾每年ほぼ一定となった1980年代初の水堆に相当し，まるでふ化放流技術の開発途上にあった約40年前に時間が逆戾りしてしまったようである。