日本産エビ類の分類と生態(179) エビジャコ上科ーエビジャコ科一キジンエビ属②

摘要

甲殻には短い剛毛と瘤状の突起がある。額角は短く，扁平で，先端は鋭く尖る。側縁は眼の背面で湾曲し，頭胸甲上に伸び，途中には歯はない。下縁には隆起がある。長さは頭胸甲長の半分以下である。頭胸甲正中部には通常基部の広い三角状の3歯があり，第2歯の後縁にもう1歯が加わる場合がある。鰓前棘は大きく，前側方に伸びるが，第1触角柄部第1節の先端には達しない。触角上棘より背面の眼窩には棘は出ていない。肝上棘後方では顆粒がつながって隆起となり，後方で同じような鰓隆起となるが，いずれにも尖った棘はない。鰓域の下部に目立った隆起はない。腹部第1節の正中部は前方に向かう鈍頭の隆起がある。第5節では後縁を越えない低い隆起となる。第1節の側板周縁には棘はない。第2第5節では後方に1棘がある。眼柄には低く小さい突起があるだけである。第1歩脚掌節の幅は変わらず，長さは幅の2.2~2.4倍である。不動指は相対的に長い。第4歩脚指節には剛毛はない。卵は約500粒，径は2.8 × 3.0mmである。