印刷できる有機-無機ハイブリッド熱電材料の開発

摘要

1．はじめに近年，環境中のわずかな未利用エネルギーから発電して，情報を通信するエネルギーハーベスティング技術が注目されるようになってきた.この技術では，振動や光，熱から直接発電する小型発電デバイスが利用される.薄膜蒸着技術などを用いて，多くの熱電半導体を利用した小型熱電発電デバイスが既に作製できるが製造コストが高い欠点があり，発電デバイス作製の低コスト化の重要性についても指摘されている.このような問題に対して，印刷技術により微細加工できれば，高真空も必要としないため比較的コストを抑えた熱電発電デバイスの作製が可能であり，近年，研究も活発となってきている.われわれ研究グループは，室温で最も高い発電効率を示すビスマステルライド(Bi_2Te_3）と導電性有機材料（PEDOT：PSS)を混合させて，印刷可能な材料生成に取り組hでおり，成果を紹介する.