アップコンバージョンナノ粒子YVO_4:Er,Ybの特性評価~液中レーザーアブレーション法にょるナノ粒子作製~

摘要

1.はじめに集光した高強度レーザーを固体に照射し,局所的に高温となった表面層から原子,分子,クラスターが蒸発して固体表面が削り取られる現象をレーザーアブレーションという.この現象を液中で行う方法が液中レーザーアブレーション法であり,容易な条件(常温?大気圧下)でナノ粒子を作製できる.1960年代にレーザーが開発されて以来,真空や不活性気体中でのアブレーションの研究は多く行われてきたが,液中レーザーアブレーションは比較的新しい研究分野で,近年盛hに研究されている.液中レーザーアブレーションで得られるナノ粒子は溶媒中に分散した分散溶液として得られる.分散溶液は取り扱いが容易であり近年ではバイオテクノロジー分野での応用が検討されている.また,本研究で用いるアップコンバージョン蛍光体とは,通常の蛍光体とは異なり,発光波長が励起波長よりも短いアンチストークス発光を示す蛍光体である.本研究では,液中レーザーアブレーションを用いてアップコンバージョン蛍光体のナノ粒子化について報告する.