固体酸化物形燃料電池材料の開発動向

摘要

燃料電池自動車がマスコミで再三取り上げられ，燃料電池の社会における認知度は飛躍的に高くなっている．現在このような開発促進の対象は室温近辺で作動する固体高分子形燃料電池（PEFC）を主としている．燃料電池はその電解質の種類により表1のように分類できる．本稿で取り扱うSOFCはイットリア安定化ジルコニア（YSZ）などの酸化物イオン伝導性金属酸化物を電解質に用いるもので，作動温度は800°Cから1，000°Cで燃料電池の中では最も高温であり，用いられる材料も他の燃料電池とは著しく異なる．ただし発電の原理は全く同じで，燃料の酸化反応のときに生じる化学エネルギーの変化を直接電気エネルギーに変換して発電される．