波動場の空間相関とグリーン関数との関係のスローネス法に基づく導出：等万人射するランダムスカラー波の場合

摘要

近猟現実の不均質な媒質中における2点間の波動場の相関関数が，そのうちの1点が震源でもう1点が観測点の場合のグリーン関数（相反定理により震源と観測点との入れ替えが可能なので，以下では2点間のグリーン関数と呼ぶ）と相似であることがいくつかの分野で実験的に示されてきた．例えば，日震学［例えばRicket．tandClaerbout（1999）］，岩石試料内の超音波伝播［例えばLobkisandWeaver（2001）］，地震学［例えばCampilloandPaul（2003）］等においてである．なぜこのようなことが成り立っのかは決して自明ではない．また，一言で2点間のグリーン関数と言っても，どの媒質に対するグリナン関数なのか（．現実の不均質構造をそのまま反映したものか，その一部分を反映したものか，あるいは均質横道に対するものかなど）はまだはっきりしておらず，いくつかのモデルを用いて波動理論的な証明が進められているところである．