空間を認識する力を育むための学習具開発に関する研究-展開図と立体の要素対応を読み取る力を伸ばすアレンジによる開発-

摘要

算数?数学教育において,立体に関する教具?学習具は空間を認識する道具として.その必要性から長い年月をかけて多くの開発.改良がなされてきた.しかし,多くの実践や調査は,中学校数学科において空間を認識するカの形成が不十分であることを示している.本研究の目的は,立体構成に関する既存の教具?学習具を分析し,それを踏まえ,空間を認識する力の形成に.より効果的な学習具の開発を幾度かのトライアウトを通して行うことである.それは.既に存在している教具?学習具を脚色する. すなわち,アレンジによる開発が,教具?学習具の改良を進み続けさせることを示すものである.開発した学習具は,次元間の要素の対応を読み取る力を高めるための中枢となる「生徒一人一人が所有可能], 「汎用性],「立体?展開図の表現」の特性を備えており.2次元と3次元の間を往還する経験を多くつくる,既存の学習具の弱点を取り除き,より有効なものになった.