協同的な学びの促進を図る算数の授業づくり

摘要

本実践研究では,協同的な学びの促進にょって児童の数学的な思考力·表現力を高めることを目的とし,小学校6年生に連続2時間の授業を行った.授業では,課題を発展的に考え,予想の真偽を確かめる活動を設定し,児童が思考?判断したことを,友人に説明したり,討論したりする状況を作った.また,児童がする説明ヘの介入を行った.その結果,児童の説明の仕方は,課題が発展するとともに,算数の言葉や記号を使ったものが増えてきた.また,グル一プ内での発話を「っながりがある」「っながりがない」を視点に分析することで,個々に進hでいる解決の過程での発話が互いの思考を促していること,自分の迷いや思考を整理するっぶやきもまた役割を果たしていることが分かった.これらは,児童において思考と表現とが密接に関わり合うことを示すものであり,協同的な学びの促進においては,適度な難易度の課題の選択,考えを修正していく授業の展開,説明の質を上げる教師の役割が本質的であることを示唆している.