藤岡換太郎著:フォッサマグナ日本列島を分断する巨大地溝の正体

摘要

最近，糸魚川-静岡構造線やフォッサマグナなど本州中部の地形?地質に関する地学的な研究に新展開ともいうベき進展があった。ひとっは， 2015年に政府の地震調査研究推進本部から関東地域の活断層の長期評価（第一版）が刊行され，この地域における現在の地殻構造と活断層の活動にっいて，総合的な評価が発表されたことである。これに関連して，2018年には産業技術総合研究所地質調査総合センタ一から，5万分の1地質図幅「糸魚川」と「身延」が刊行された。糸魚川-静岡構造線をプレ一ト境界とする定説を覆しかねない野外調査事実が確認され関心を呼hでいる。また，日本地質学会は『創立125周年記念特集:日本列島の形成過程』を発刊し，この分野での過去四半世紀の総括と今後の展望を示している。