「光学」と「Optical Review」：日本光学会の出版する学術雑誌

摘要

研究は論文を発表してひとつの区切りとなる．日本光学会は研究成果の発表の場として，「光学」，Optical Reviewを刊行してきた．「光学」は1952年，光学懇話会の発足とともに刊行された「光學懇話會ニュース」(1955年から「光学ニュース」）を源流に1972年に創刊された．すでに40年以上，和文論文誌として最新の光学技術や先端分野の発展状況を会員に伝えている．「光学ニュース」の時代は，写真機の性能評価に始まり，顕微鏡や望遠鏡，分光器など光学測定機器の実際的な特性評価が発表されており，日本光学会とわが国の光学産業の密接な関係を示している，レーザーが普及した後，「光学」にもた＜さhのホログラム，光干渉計測の論文が発表されるようになった．さらに，半導体技術の発展と同期して，ディスプレイからナノフオトニクス，量子光学からバイオフオトニクスまで，「光学」が伝えてきた論文，情報は多様で，光学が現代の科学?技術を支える基盤であることを雄弁に物語っている． 光学自身も古典的な光学からその範囲を広げ，科学?技術を下支えする光科学にと拡大，進化を遂げた．Optical Reviewは1995年に創刊された英文国際誌である．当初，海外ジャーナルに投稿しに＜い光学設計，光学技術の論文を掲載する場が必要として創刊されたが，今では光科学全般を対象とし，投稿論文の過半数が海外投稿という国際ジャーナルに育った．