燃焼高べータプラズマの実現に向けたプラズマ分布制御の課題:ー核融合発電への鍵を握るプラズマ分布制御ー

摘要

「核融合発電による電力供給が2XX年某月某日YY時ZZ分開始され，ついに人類はエネルギー問題から解放」このような見出しの号外を夢に描きながら，大勢の人々が様々な形で研究開発を行っています．この目標自体は，核融合開発が世界的に始まった今から半世紀以上前でも変わるものでなかったと思われます．しかし，発電に至る道筋やシナリオが今ほど具体的に想像できることは過去にはなかったのではないでし ょうか．核燃焼プラズマを実現する国際熱核融合実験炉ITERが世界の主要7極による共同事業としてすでに南仏で建設を開始し，同時に最初の発電を行うことが想定される原型炉（DEMO炉）の設計やそこに向けた炉工学的な研究開発も日欧協力や国際共同等で本格化することが見込めるようになってきています．さらに並行して，ITERを補完し原型炉に直結する先進的炉心プラズマ研究を担当するサテライトトカマクJT-60SA計画が，日欧共同の幅広いアプローチ（BA）事業のーつとしてすでに始動しています．