電子書籍の流通 利用 保存図書館おとび図書館情報学に関する調査研究の報告会から

摘要

電子書籍の市場規模は、平成14年の調査開始時から毎年、前年比のほぼ2倍程度で拡大を続けています~＊。このような市場の拡大を背景に、平成19年、日本の図書館界にも電子書籍に関する夫きなニュースが駆け巡りました。著作権の保護期間が満了していない日本語の電子書籍を、図書館が有償で契約してィンターネットで利用者に提供するサービスが、いくつかの大学図書館や公共図書館で始まったのです。また、携帯電話用のネットワークサービスで提供される小説、いわゆる「ケータィ小説」が若年層を中心に広く普及し、これを書籍化したものが、べストセラーの文芸部門の上位を独占するというできごともありました。このような動向をふまえ、国立国会図書館では日本国内における電子書籍の流通 利用 保存の現況について、図書館とのかかわりも視野に入れながら、文献調査、質問紙調査、ィンタビュー調査などの手法で調査を行いま した。